3. 発覚

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「だって、恭ちゃん…夢が…叶ったんだよ…」 あまりの突然の発表に、喜びと感動と驚きが一気に来た。 感情が溢れて涙が出た。 手で涙を拭う。 そんな私を見て、恭ちゃんは服の袖で顔を拭いてくれた。 「泣くなよ」 「だって、何でそんな大事なこと、今発表するの?」 私の溢れる感情を見ながら、恭ちゃんは笑う。 「そんな可愛い顔して泣いてたら、ここで押し倒す」 耳元で囁いた爆弾発言に、涙を引っ込める。 「なんだ…泣き止んじゃったよ」 つまんなそうに恭ちゃんは言った。 「十代じゃないんだから、バカなこと言わないで」 私の言葉に恭ちゃんは笑う。 「今、言ったのは家賃のこと安心して貰いたかったから」 恭ちゃんは優しく言った。 「いずれは家を買うつもりだし、それまでの住まいだよ。ここからなら真白の会社も近いし、俺が勤務する場所も自転車で行ける範囲だから…。忙しくなっても真白との時間は大事にしたい」 確かに通勤時間が短ければそれだけ過ごせる時間が長くなる。 今よりもっと忙しくなる恭ちゃんにとって、ベストな場所を選んであげたい気もする。 「でも…私、本当に甘えていいのかな…」 「いいよ!真白には一緒に住み始めた時に、めちゃくちゃ世話にもなったし、助けて貰ったんだから」 「でも1年くらいの話じゃない」 「その1年がどれだけ俺を支えてくれていたと思う?」 そこまで考えたことはなかった。 あの時はまだお互い20代前半でとにかく一緒に居るだけで楽しかったし… がむしゃらだった。 「1つ下の真白に、随分俺は頼ってた」 そんな風に思わせていたなんて… 「困った時はお互い様」 「うん。だから、ここの家賃は俺に払わせて」 そう言われて、何て雑なまとめ方だと笑ってしまった。 「恭ちゃん、別に困ってるわけじゃないから。贅沢な悩み…」 私が話している途中で、恭ちゃんが私の手をキュッと握った。 「真白、俺と一緒にここに住もう」 そんな風に真剣な顔で言われたら、勘違いしちゃう。 恭ちゃんプロポーズみたいだよ、それ… 結婚式で刺激された私がそう思ってしまうのか、何なのか。 私は頷いて応えた。
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