3. 発覚

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即決で恭ちゃんは契約をした。 来月から代官山の店長になる。 今月中に引っ越しを済ませよう。 そんな気持ちもあってか、翌週には住めるようにと、動くことになった。 契約手続きを済ませて、今晩は二人で外食をした。 複合商業施設の中にあるお店で、食事をしながら、色んな話をした。 ファーストクラスの快適さを話せば、 「俺もいつか乗ってみたいな」 と夢を見る恭ちゃん。 響ちゃんの結婚式が素敵だったことを話せば、 「どこが一番感動したの?」 と問い掛けられた。 「う~ん…やっぱり、チャペルの入場シーンかな」 思い出しただけでも胸が熱くなる。 「あっ、でもフラワーシャワーも良かったの!」 「フラワーシャワー?」 式後、パーティーのあるホテルまで先に戻った参列者は、新郎新婦を迎えてフラワーシャワーをした。 「お花がいっぱい舞ったんだけど、その時にね、真っ白な粉雪がふわふわって降ったの!」 まるでドラマのワンシーンみたいだった。 「へぇ!演出じゃなく?」 「じゃないじゃない!自然現象!北海道の山の上だもん。11月でも雪が降るんだよ」 国分さんが粉雪に気付いて、響ちゃんに耳打ちした後、響ちゃんが空を見上げて、とびきりの笑顔を見せた。 「真白は人の幸せを自分のことみたいに喜ぶよな」 恭ちゃんはそう言って微笑んだ。 「えっ?そう?恭ちゃんもあの二人見たら絶対祝福しちゃうよ」 「そこまで言われたら会ってみたいかも」 恭ちゃんもあんな二人を見たら、結婚…したくなるのかな。 そんな風に思った。 夕食後、施設内にある家具や雑貨のお店を覗いてみた。 カーテンが一番先に必要だろうと、それを見る。 種類の多さに感心し、値段を見て驚愕する。 二人で同棲をはじめた時のカーテンは、ホームセンターで買った割引シール付きのものだった。 「真白、どのカーテンがいいと思う?」 そんな風に聞かれても、値札見ちゃったから無邪気になれない。 「い、今のカーテン使い回せるんじゃない?」 「あぁ…でも部屋数増えるから新しいのいるだろ?」 そうだった…。 「恭ちゃん…でも、これ高いよ?」 私は掴んでいたカーテンを見せる。 「どれ?」 値札を確認する恭ちゃん。 「マジか」 思わずに笑う恭ちゃん。 「こっちにあるのが高いんだよ。あっち側はそうでもない」 恭ちゃんに手を引かれて見たカーテンは、お求め易い価格だった。 「これなら買える」 私が安心すると、恭ちゃんがウケた。 「なんで笑うの!?」 「いや、確かにカーテンにあの値段は出せない」 「だよね!?」 「何が違うんだ?」 恭ちゃんはさわり比べたりして確認する。 それがまた面白かった。 家具も少し見た。 キッチンボードやソファを新調しようなんて、話は盛り上がって色々見たけど、全部ってなると尻込みする。 だけど、 「これは買いじゃねぇ?」 二人でダブルベッドに寝転がる。 「広い!」 「マットの固さが絶妙」 起き上がる。 有名な寝具メーカーのベッド。 かたおちで安くなっていた。 「真白、買おうよ!」 「これは、いい買い物!」 私も賛成した。 恭ちゃんは買ってくれるって言ったけど、来月ボーナスも出る予定だからと、折半で購入した。 新居に引っ越したら届くように手配した。
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