3. 発覚

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翌日、まだ夢心地で出社。 何だか幸せな気分が続く。 朝から大量の書類整理も、難なくこなせてしまう。 「天宮ちゃん、仕事早いね」 私の動きをデスクから眺めて九条先生が言った。 「そうだ!メール貰ってたお友達の件だけど」 連休に入る前だったから、久米っちの件は先にメールで先生に伝えていた。 「はい!受けていただけますか?」 私は自分のデスクから立ち上がって先生のデスクの側に寄る。 「僕は構わないけど、天宮さんと仲の良い友達だからちょっとどうかなって。やっぱり赤裸々になることもあるから…」 確かに、この事務所に弁護士は先生しか居ないし、アルバイトの時間内で三井君に全てして貰うのには無理がある。 仕事上と言えど、私は久米っちのプライベートな部分を知ることになる。 「民事のそういった案件に強いやつが居る。腕もいいし、人当たりもいい。その弁護士を紹介することも出来るよ?」 先生はそう言ってくれた。 「友人にそのまま伝えてみていいですか?」 「いいよ」 先生はニコッと笑ってくれた。 ガチャと勢いよくドアが開いた。 「おはようございます」 入ってきたのは三井君だった。 「おはよ。あれ?今日出勤日だっけ?」 私はデスクに戻りながら問い掛ける。 「いや、違うっすけど、天宮さんの出勤日だと思って」 「えっ?」 「北海道の…」 そう言い掛けた三井君の言葉でピンときた。 「あぁ!お土産ね!」 「そうっす!新鮮なうちの方がいいかと思って」 彼は嬉しそうに話す。 「大丈夫なのに、日持ちするのにしたから」 私はデスクの下に置いていた紙袋を出して、九条先生と三井君にそれぞれ渡した。 「何っすか?これ…」 雲丹せんべいの箱を持って固まる三井君。 「雲丹、せんべい」 私がそう言うと九条先生が笑った。 「確かにこっちは蟹だ」 三井君は脱力していたけれど、九条先生は喜んでくれた。
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