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一緒にお風呂に入るのは、久々だった。
お互い仕事も忙しくて、私はほぼカレンダー通りだけど、恭ちゃんは毎週月曜日のお休みが固定で、後はシフト。
副店長になってからは、会議だ研修だと休み返上で仕事をしている日も少なくない。
昔は一緒にお風呂に入るのが日課だった。
水道光熱費節約の為にはじめたことだった。
それが今は月に数回あるかないか。
一緒にお風呂に入ると、恭ちゃんが髪を洗ってくれる。
極上に気持ちがいい。
「このシャンプー香りがいいね」
「新しく入ったシャンプーなんだよ。どう?」
「アロマ系の香りだからリラックスするかも。私は好き」
目を閉じて、バスチェアに座り、恭ちゃんのシャンプーに集中する。
恭ちゃんに洗って貰うと、自分で洗うより地肌がスッキリする。
恭ちゃんと一緒に住むようになって、私の髪質は格段によくなった。
一緒にお風呂に入った日は、お風呂から上がってからも、タオルドライとドライヤーもしてくれる。
それも気持ちがいい。
「はい、出来たよ」
私の髪は綺麗にドライヤーしてくれるのに、自分のは一瞬ドライヤー風を当てて終わり。
「恭ちゃん適当すぎ」
「いいんだよ、俺は」
「貸して貸して」
恭ちゃんが持っていたドライヤーを取り、今度は私が恭ちゃんの後ろに回ってドライヤーする。
右手でドライヤーを持ち、左手で彼の髪に触れる。
彼の少し癖のある猫ッ毛の髪が好き。
乾かしてフワフワになった髪。
ドライヤーを止めて床に置き、後ろから抱き締めた。
「今日はよく甘えてくれる」
彼はそう言って、抱き付いて回した私の手をキュッと握ってくれた。
私は彼の背中に体重を掛ける。
「おぅ、重ッ」
「重くない!」
彼の失言を笑って否定する。
一通りじゃれて、私と恭ちゃんはベッドに入った。
「ベッドも買い換えたいよな」
セミダブルに身を寄せあって眠る私達。
「結構高いよ?」
「いや、でもせっかくだし。真白の節約志向のおかげで、俺、今わりと金ある」
「そうなの?」
二人で顔を寄せ合って笑う。
「新しく家具を新調する時は、結婚する時かなって勝手に思ってた…」
ポロッと出た本音。
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