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「結婚って言っておけば、女を繋ぎとめられるとでも思ってんの?」
「……愛してるんだ! 由佳」
「いい加減にして! そんな口先だけの言葉なんて、もう聞き飽きたの!」
抱きしめる彼の腕を振りほどいて、
「さようなら、もう別れて…」
背中を向ける。
「なんでだよ、由佳! 結婚しようって言っただろう?」
「……結婚、結婚って、何度言ってきたと思ってるのよ? そう言えば、私を引き止められるとでも思ってるの? 本当にいい加減にしてっ!」
叫ぶようにも言って、駆け出した。
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