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夕方になり、優は夕食を作っていたので、有李斗が保育園へ迎えに行った。
「「パパ~」」
有李斗の姿を見ると、2人が走って来た。
「おかえり。今日も楽しかったか?」
「「うん」」
「そうか。それは良かった。じゃあ、帰るぞ」
「「は~い。先生さようなら~」」
出入口にいた先生に挨拶をしてから歩き出した。
丁度、病院の仕事も終わったのか、診察室の方から大と先生が出て来るのが見えた。
「ハッ!先生~」
「だ~い」
2人の姿を見ると、子供たちは走って2人の所へ行った。
「おう。お前らも今帰りか?」
「そう。今日はパパが来てくれたの」
「良かったな。――おう、有李斗。パパ、ちゃんとやれてんじゃん」
「まあな。――先生、お疲れさまです」
先生を見ると、既に月斗を抱き上げていた。
「保育園にもやっと慣れて良かったよねえ。月斗くん、保育園楽しい?」
「うん。今日は〇〇レンジャーしたの」
「おっ。ついにその時が来たんだな?(笑)。俺たちも日曜の朝は見なきゃなんねえなあ。李花は、女の子がたくさん出てくるやつだろ?」
自分に抱っこされている李花に聞く。
「う~ん。見るけど、私はもう1個のテレビの。ディ〇ニーのやつ」
「そっか。李花は来た時からそうだもんな。本もそんな感じのを読むしな」
「うん」
月斗と李花の話を聞きながら、どんどん自分たちの生活が変わっていくのが分かる。
日曜の朝の子供番組なんて、自分の人生で目にする事が来るとは思わなかった。有李斗は、そんな事を考えながら大と先生と別れ、エレベーターを降り、子供たちと部屋へ戻った。
「「ただいま~」」
玄関へ入ると、月斗と李花は大きな声で優に帰って来た事を伝える。
「おかえりなさい。有李斗もありがとう」
「帰りに、大と先生に会ったんだ」
「そう。明日は土曜日だからみんなでご飯だね」
「ああ。日曜日は、大は朝から子供番組を見るらしいぞ(笑)」
さっき話をしていた事のほとんどの話を折り、そこだけを優に話した。
「子供番組?」
「うん。〇〇レンジャー見るの。僕も見るね~」
月斗が説明をしながら、洗面所へ向かう。
「そうなんだあ。じゃあ、月ちゃんは日曜だけど早起きしないとだねえ」
「う~ん。ママ、起こしてくれる?」
「ええ~。ママはゆっくり寝たいよ?(笑)」
優は揶揄い半分で言うと、月斗はどうしようという顔で有李斗を見た。
「大丈夫だ。録画をしておけば問題ない」
手洗いを終え、テレビの前に行き、有李斗は月斗と李花が見る番組の録画予約をした。
「これで、好きな時間に見られるからな」
「うん。パパ、ありがとう。ママ、これで大丈夫だって」
「良かったね。李ちゃんも、ちゃんとやってもらった?」
「うん。私のは、こっちのやってもらった」
「良かったね。有李斗、ありがとう」
「ああ。土日の朝は、お前は起きられないからな。まあ、俺がそうしているんだが」
そう優に言いながら、ニヤリとしていた。
「もう…。また、そんな事言うの…」
「俺はいつだって、お前には言うぞ。仮令、子供がいてもな」
「うん。有李斗、大好き」
優は有李斗に抱きついて、頬にキスをした。
「俺もだ。お前は俺のものだからな」
「うん」
2人の会話を見ながら、月斗と李花はニコニコしていた。
そして、すぐに食べられるように食事が支度されていて、みんなで座り、食べる準備をする。
「さあ、食事にしよう」
「「は~い」」
有李斗と優と2人で静かだった食卓も、今は月斗と李花が加わり賑やかになった。そんな時間を温かく感じる。
「では、いただきます」
「「いただきま~す」」
子供たちの元気な声が、部屋中に響いていた。
~ 『早瀬家に子天使がやって来た』 おわり ~
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