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木を隠すなら森の中!
姉の動きが止まった。
コイツ…全部胃の中に隠せばいいじゃん♪とかアホなことしか考えてなかったな?
姉がゆっくりと涙目で私の方を向く。
「…ど、どうしよう?」
アホだった。
わかっていたけどアホだった。
「お母さんにバレたら…すんごい怒られるだろうね~。」
「ひいいいい!」
姉は箱にウェハースを詰め込んで、家の中をうろうろしだした。
まずは子供部屋、次に台所。
「ダメだ!スペースが無い!」
そう叫びつつ、同じところをいったり来たりしている。
突然、姉が止まった。
「…開き直って堂々と置いておくっていうのは…?」
「血の海を見たいのなら、どうぞ。」
姉はうろうろを再開した。
イヤだよなぁ、私だってイヤだもの。
ピタッと姉が止まった。
何か思い付いた表情をしている。
姉はウェハース入りの段ボールを持ち、隣の部屋へと入っていった。
そして、晴れ晴れとした表情で戻ってきた。
手に持っていた段ボールが無い。
「隣の部屋に置いてきたの?」
「段ボールだらけだから隠せるかと思って♪」
隣の部屋を見てきたら、段ボールの山の中にただぽんとウェハース入りの段ボールが置いてある感じであった。
滅多に入らない部屋だが…たまに片付けする時がある。
きっとそのうちにバレるだろう。
姉がウェハースを完食するのが先か、片付けが先か。
私は胃が痛くなった。
「次はポテチ買うど~!」
姉は懲りていないようです。
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