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「誰も彼も言う事が無いものだから挨拶した後、大抵、天気の話をしてから、『今日も一日、怪我の無いように体に気を付けて頑張りましょう!』なぞと押し並べて俺に言わせれば、『餓鬼じゃねえんだから言われなくても分かってるよ!』てな事ばかり言う様になってだよ、それも俺よりずっと年下の者が言ったりするものだから聞いてる身にもなってみろってんだよ。馬鹿々々しくて聞いてられねえよ。而もどいつもこいつも綺麗事が見え透いてるのに照れもなく真面目腐って言いやがってさあ。聞く方も聞く方で照れもなく真面目腐って聞いてやがってさあ。ほんとに感受性の鈍い野郎ばかりだっていつも呆れてたねえ。中には偽善を遣らかす事に罪を感じねえもんだから良心の呵責なく自然と綺麗事が言えて自己嫌悪に陥らない救いようのない嘘つき野郎までいるから始末に負えねえ。そこへ行くと俺なんざ正直者だから、『話す機会を与えて貰った事に関しては大変有難く思うんですが、こういう事は班長さんだけがやれば良いんじゃないですか!』とか『平社員から言う事も何も有ったもんじゃないですよ!』とか『平社員が偉そうに何を言えば良いって言うんですか!』とか『時は金なりと言うじゃないですか!こんな朝礼する位なら早いとこ仕事始めた方が良いんじゃないですか!』とか『こんな事してるから赤字になるんですよ!』とか『こんな朝礼ナンセンスだと思いませんか!』とか『会議なら兎も角、と言っても僕なんざ出席した所でオブザーバーでしかありませんがね!』とか、あんまり面倒だから、『僕からは何にもありません!』って言って済ましていたねえ。当然、皆から思いっ切り反感買って総すかんを食らってたよ。俺はああいう同調を強いられる不条理な空気の中に居ると敢えて反発するんだ。間違っても空気を読んで同調して綺麗事を言う偽善を遣らかして自己欺瞞したかなかったからねえ。嗚呼、全く俗物野郎どもと一緒にいる事が虚しくて、いつも四面楚歌の状態でニヒルに笑ってたよ。本当に阿呆な決め事とか阿呆な集会とか世の中のそういう一切の煩わしいあらずもがなの不要なものを徹底的に撤廃出来れば、どれだけストレスが減るか知れないのに自らストレスの溜まる事ばかり作り出しやがって、全く集団組織という奴はストレスの生まれる温床だ。ねえ、共感できる?」
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