メミラの伝説 創世記

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 何千年、何万年も前。世界に人間はおらず、神々が生きていた。  大地、自然、海、山も川も創り上げる神たちは、自分こそがこの世界の頂点に君臨すべきだと争いを続けていた。争いは百年、千年止まない。このような争いは、天変地異の名のもとに、世界ができたときから始まっていたのだから。  神々は火山を噴火させ、地形を変えた。海を荒れ狂わせ、その領域を広めた。もちろん生き物は生まれてもこの争いに巻き込まれ、間もなく命を落としていく。動物は行き場を失い、植物は炎に焼かれてゆく。生きていくことなど、できないのだった。争いは決して止むことがない。神々は自らの力に目がくらみ、他の生き物が苦しみの声を出せぬまま死んでいくのを見ることはなかった。  “支配”が何者をも狂わせた。
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