あの子はゲームがしたかった

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あの子はゲームがしたかった

パラパラパラ……。 静かな部屋。 アルバムをめくる音だけが、耳に入る。 耳に入って、こだまして、反対側の耳から出て行く。 脳には残らない。 残るのは、アルバムの写真。 最後のページまで到達すると、再び冒頭から見始めた。 今度はジックリ。 閉じた窓と閉めたドアの隙間から、ざわめきが入ってくる。 すすり泣き。 怒声。 うるさいだけの声。 色々な声。 でも僕は気にせず、アルバムに見入った。
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