あの子はゲームがしたかった

生まれたばかりの時、一緒に撮ったもの。

初めてアイスを食べた時の顔、抱っこされている写真。

顔を真っ赤にして大泣きしているところと、その直後に泣きつかれて寝てしまった写真。

僕におんぶされ、満面の笑顔の写真。

僕と手を握って道を歩く、二人の後ろ姿。

ピースをして映る、僕とのツーショット。

ランドセルを背負い、『祝・入学』の立て看板の前で、学校を前に決めポーズ。

その下にあるのは、本人と僕からのコメント。

『しょうがつこう　たのしみです。おにいちやんもおなじがっこです。まいにちおにいちやんとあえます。』

『入学おめでとう！僕は六年で来年卒業だから一年しか一緒にいられないけど、その一年でたくさんの思い出を作ろう。』

その次のページには、＜一年の思い出＞とマジックで書かれた色紙が貼ってある。

授業参観で撮ったのは、元気に手を挙げる写真、前に立ってたどたどしくスピーチをしている写真。

それに並んで、僕の授業写真も貼ってある。

さらに、一番下にコメント。

『おにいちゃんいぱいて　おあげてたね　すごいよ。』

『訳：お兄ちゃんいっぱい　手を挙げてたね　すごいよ
　　　いつもはもっと挙げてるんだぞ！(=^・^=)』

目の前がかすんだ。

それでもページをめくると、遊んでいる写真や家族写真が続き、さらに次のページには僕が中学生になってから記念も兼ねて撮ったプリクラ写真。

その下には、

『お兄ちゃんがかわいくなった。』

『プリクラって、男子がやってもよかったのかな？』

『二人とも似合ってたよー！』

『互いにプリクラは初体験だな？ハッハッハ( ´艸｀)』

と、家族全員のコメント。

プリクラ写真は後二枚、両親が撮ったものと家族全員で撮ったものがある。