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プロローグ
「ねえ、お兄ちゃん。私と……勝負しない?」
午後の光が、窓から差し込む中。
妹はそう言って、儚げに微笑んだ。
妹が僕を呼び出すのは、珍しい。
特に、自分の部屋に呼ぶのは。
そこで何事かと思ったら、その言葉。
「勝負?」
面食らった僕は、思わずそう尋ね返した。
「そう。一勝負しよう!本気でね。」
そういうと妹は、トランプが入った箱を抱えてきた。
「いい?絶対に遠慮しないで。」
その言葉に苦笑する。
そうか、勝負ってその勝負か______。
「ああいいよ、勝負しよう。本気、で。」
そう返事をすると、妹は安心したように笑って、トランプを箱から出した。
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