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「そういえば…」と前髪を垂らした女性は囁いた。
実はメリーは最近、妙な人物に執拗に電話をかけられていた。場合によっては先回りして“仕事”を妨害までされるという。
当初は、妖怪を脅すのだから、新手の妖怪の出現を疑ったが、調査を進めた結果、メリーを付け回しているのはただの人間だとわかり、周囲の妖怪たちを驚愕させた。
再び携帯電話が振動した。
前髪を垂らした女性とメリーの目があう。2度目、3度目と携帯電話は机の上で振動し、メリーはそっと手を伸ばした。
「も、もしもし…」
「き、きらないどぇよ…こふーこふー、メリィ」
メリーは表情を崩すと、携帯電話を切った。
前髪を垂らした女性はコーヒーカップを置いた。
「しつこいわね」
「……」
メリーの表情は硬い。あまり関わり合いになりたくないのだろう。
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