デートって勉強会

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デートって勉強会

 あれから、一週間が過ぎた、お昼時だった。 (あれからって、どれからか分かりませんよね・・) 本文は二章ですが、実は一章が有りまして、勿論、エブリスタには既に投稿済みである。  でも少しだけ話しますと、原子力発電所の研究室に或る新聞記者が、取材に来たことが話しの始まりです。 研究室長の村田が対応したが、取材の終了まじかに、逆ナンされてしまったと言う話なんです。 最初の電話で取材のアポを要求するその記者は、「男性」と決めつけて何の疑いもないような太い声帯とともに凛々しさを感じさせておきながら、会ってみて驚いた、実は女性だったのです・・ (第一章のリンクです)https://estar.jp/novels/25552264 『室長!・・ここ、ここですよ』 (水沼が大きなジェスチャーで両手を左右に振っていたその目線の先には、原子力発電所・研究室長の村田が居た) 「あっ、水沼さん・・ようやく会えましたね・・でも、またどうして大学のキャンパスなんですか?・・」 『わたしね、安月給だから・・ここが一番安心できるのよ』 「でも・・これって大学の食堂ですよね・・?」 『そうよ・・大学生のころからいつも利用していたのよ・・値段の割には結構美味しいのよ』 「水沼さんって、こちらの大学だったんですか・・凄いじゃないですか・・」 (県内では結構、有名と言われている、特にロボット工学が優秀である) 『村田さん、お腹空いたでしょ?・・食べたいもの言って・・ここは私のおごりだから』 (そう言った彼女は、テーブルにセットされていたメニューを取ると、村田に差し出した) 「そんな・・ご馳走して頂けるなんて、悪いですよ・・」 『ここは、安いから大丈夫なの・・その代わりと言ってはなんだけど・・夕食はゴチになろうかしら?』 「えっ、そんな時間まで・・」 『村田さんが言ってたのよ・・1時間や2時間では語りつくせないって』 「そうでしたよね・・それじゃハンバーグ定食をお願いしようかな・・」 (半時間ほどで昼食を済ませた二人は、同じキャンパス内のカフェに席を変えていた) 「卒業生でも、学内の施設を使えるのですね?」 『だって私って一様は、大学院生なのよ・・学費は払っていないけどね』 (またもや、村田は驚いた) 「えっ、君・・新聞記者じゃないの?・・だってこの間の名刺には・・」 『村田さん・・ちょっと待って、そんなに先に決めつけないで・・落ち着いて、訊いてくれる』 「いいよ・・」 (村田は冷めてしまったコーヒーを再びすすった) 『私・・どっちも本当なの・・大学院生も、ブンヤも、本当なの・・ほら、これが学生証でしょ・・』 (水沼は首にかけている学生証を右手で掴むと村田の目の前に提示した、まるで学食のメニューと同じだ・・苦労して、せっかく休みを取ってきた結果が、なぜか驚きの連続で、村田の胸の内はズタズタになっていた) 「・・分かりました、でも本当は、まだ何にも分かってないけどね・・」 『そんなに、気分悪くした?・・ごめんなさいね、実は私・・ここでロボットの開発をやってるの・・でもねブンヤやってるのは、そのロボットのニーズを知るためでもあるのよ、世間がロボットにどこまでの仕事を期待し、必要としているかは実際に現場に足を運び・・その声を聴くことが大切なの・・だから私は記者として、村田室長を訪ねたの・・村田さん?・・まだ怒ってる?・・』 「ん~そうか・・やっぱり君は凄いわ・・頭もよさそうだけど・・その考え方と行動力には脱帽するよ、ほんと凄いよ・・」 『良いのは頭だけ・・』 「だから・・行動・・つまり実行力だよ・・」 『それだけ・・わたし実は女なんだけどな・・』 「そうか・・なるほど、そう言えば度胸もいい・・」 『・・もういい!・・村田さんって鈍感なのね、そんなんじゃロボットの気持ちが理解できないんじゃない?・・これからのAIロボットは、心が通じないとこちらの言うこと訊いてくれないわよ』 「そうなんだ・・私の夢は、決して人が入れない原子炉の中でAIロボットに研究をしてもらうことなんだ、そして、その研究結果が、まるでゾンビのようだった核の実態を中性化させることなんだ」 「えっ、君・・今、心が通じないと訊いてくれないって言ったよね・・そんなロボットって現実に居るの?・・」 『まだ居ないわよ・・これは私の設計図の話であって、それをこれから組み立てて、配線してゆくの・・』 「でも、凄いよね・・君の話、訊いてるだけで、心がウキウキしてきたみたいだ・・」 『だめよ・・今日は村田さんのお話を訊く日なんでしょ・・さぁ、これから私の開発チームへ移動しましょう。 (水沼は自らも研究しているロボット開発チームに村田を案内していた)
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