運命の人

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 近所の神社は、いつ来ても人が少ない。  小さい頃はよく初詣に来ていたけれど、大きくなるにつれて段々と足が遠のいてしまった。  一つ目の鳥居の前で一礼、参道の端を通るようにして手水鉢のところへ行く。  手口を清めたあとは、お賽銭をささげて鈴を鳴らす。  しばらく聞いていなかった鈴の音を聞いて懐かしくなったけれど、二拝二拍手一拝で祈りをこめる。  少しだけ、毎日に刺激が訪れますように。  深くお辞儀をした私は、おみくじが置いている社務所へと足を向けた。
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