運命の人

　うれしさを抑えて、おみくじに書かれていることを読む。

　すると、「待ち人」欄だけ、下に文章が書かれていなかった。

　不思議に思い、社務所に行って尋ねようとしたとき、後ろから声をかけられた。

「大吉だね。いいね」

　いつの間にか、私の背後に男性が立っていた。

　男性は身長が高く細身で、黒髪に黒縁眼鏡をかけていたが、重い感じには見えなかった。

　むしろ、真面目そうで好感が持てた。