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気が付けば、隣の横山(よこやま)が身を乗り出して二人のやり取りを見ている。
そして、溜息をついた。
「またかよ、史洋チャン。昼飯くらい自分で決めろ、って言ってやれ」
「そんな意地悪できないよ」
「依存体質。後々苦労するぜ~?」
「いいの」
横山は、史洋のことを勝手に細腰のお坊ちゃんだと思っている。
実際の史洋は、細は細でも細マッチョ。
背丈だって、180㎝あるのだ。
仕事もできるし、家事もこなすしっかり者。
ただ、このみにだけは、こうやって甘えてくる。
そしてこのみも、そんな史洋の癖が好きだった。
ラインを終えて社食へ行こうと歩き出すと、再び携帯が鳴った。
今度は、メールだ。
横山は、呆れた、といった風に腕を広げて行ってしまった。
このみは、メールを開いた。
今度の相手は、功だった。
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