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悠さんにソファーに座らされた。
悠さんの顔は真っ赤になっている。
「ぼ、僕はただ…
寝るところ…を提供…しただけで…
響たんとその…
そう言う事は…するつもりは…」
「そうなんですか!?
あの…
男の人が…家に招くのは…
そう言う事なのかと…」
「えっと…
ぼ、僕は…その…女なので…」
「ふぇ?」
間抜けな声が出てしまった。
悠さんが女?
でもハッキリと言って女性には見えない。
悠さんは眼鏡を取り前髪を上げた。
その顔は見たことがあった。
「は、ハルさん…」
「名前…覚えてくれてたんですね?」
「ハルさんも男じゃ…」
「元々中性的な顔で、叔父に誘われたんです…
バーテンダーにならないかって…
ちなみに職場の人は全員知ってます…」
「そうなんですか…
って私が響也って知ってて助けてくれたんですか?」
「はい…
響也さんを助けるのも響たんを助けるのも同じですから…」
照れ臭そうに笑う悠さん。
本当にこの人は優しい。
私を否定しないでくれる。
女装なんてって言う人もいるのに。
優しい優しい悠さん。
私は悠さんに抱き付いた。
悠さんは耳まで真っ赤だ。
「あ、あの…響たん?」
「響也って呼んでください…
貴方にはそう呼ばれたい…」
「きょ、響也さん…」
嬉しくてギュッと抱き締めた。
覚えているのはここまででいつの間にか夢の中に落ちていた。
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