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僕はバーのカウンターに立っている。
目の前には女性客。
「ハル君はどんな女の子がタイプなの?」
「そうですね…
ふんわりとした可愛らしい人ですかね?」
「私みたいなセクシーな女はキ·ラ·イ?」
「素敵だと思いますよ?」
「嬉しいわ~」
胸元を大胆に開けた服は目のやり場に困る。
出来れば遠慮して欲しい。
そんな事は言えずカクテルを作る。
「お待たせしました…
あまり飲みすぎないで下さいね?」
「あ·り·が·と~」
投げキッスを受け取り手を振り見送った。
「ん?
ハル何かあったか?」
「………
また話が続かなかった…」
「愛しの響たん?」
「はい…」
カウンターの中でうずくまる。
「響たんは可愛いんですよ…
ふわふわな柔らかい雰囲気で…
声も何もかも僕の理想…」
「仕事では大丈夫なのにな~」
「知りませんよ…」
その時店のドアが開き僕は慌てて立ち上がる。
「いらっしゃいませ~」
入ってきたのは仲が良さそうな男女。
何か話をしながらカウンターにやってくる。
「ハルさ~ん久し振り~」
「美香さんお久しぶりです。
そちらは?」
「職場の同僚の響也。
連れて来ちゃった~」
「ようこそ響也さん。
バーテンダーのハルです。
よろしくお願いしますね?」
営業スマイルを見せるとなぜかうつ向かれてしまった。
何か悪かっただろうか?
「カウンターの端良い?」
「どうぞ…
注文が決まったら呼んでくださいね?」
笑顔で頭を下げた。
二人はカウンターの端に座った。
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