水飴

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 雨が上がるとリスの子は、虹を見て思った。 「虹をひとかけら取って帰ろう」     横の道路でトラックが止まった。  人間が出てきて、何かを調べ始める。  その間にリスの子は、トラックの後ろにぴょんぴょん飛び乗った。  そのとき人間は、蛇を轢いたことをタイヤのそばに見出していた。いや、それはよく見ると蛇の脱皮したあとだった。 「なんだよ、紛らわしい」  と人間が言った。  それからリスの母親が、 「ご飯できたわよ」  と木の影から現れた時には、蛇の皮しかそこになかった。
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