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*ドッグタグ*
私と、シンゴと、サトシはいつも一緒だった。
私がサバサバした性格もあって、三人でいても自然だったし、他のクラスメイトともバカみたいに毎日楽しく過ごしていた。
そして卒業間近かに私はシンゴに告白された。正直少し驚いたけれど、毎日一緒に過ごしてシンゴの事は嫌いではなかったし、OKをした。サトシはそんな私たちを見て嬉しそうに笑顔を見せた。
大学は違ったから出来るだけ時間を作って会う時間を作った。そして社会人を何年かしていた頃、私はシンゴからプロポーズされた。断る理由なんて何もなかった。
子供も生まれて、平凡な幸せってこういうのを言うんだろうなあ。と思いながらベットルームの掃除に向かった。
「ん?」
ベッドサイドに何かある。それは銀のチェーンに認識票が付いていた。
「ドッグタグ?なんでこんなもの持っているの?」
『TRUE LOVE M&S』
「え?ミキとシンゴ?なにそれ。普段そんなこと絶対言わないじゃない」
意外と照れ屋っていうかロマンチスト?私は笑いが止まらず掃除を済ませた。
休日買い物に出かけた。ううん、出かけようとしていた。
「買い物にお財布忘れるなんてマンガじゃないんだから・・・」
少し自分に苦笑いをして家に戻る。
バスルームの脱衣所からシンゴの声がした。
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