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「由梨……ありがとう」
太一が柄にもなく礼を言ったので、由梨はびっくりした。
いいことをしたなと由梨は思った。
「由梨……気持ちわ、る…い。だ、ダメだ…」
太一が絞り出すような声で訴えた。
由梨はあきれる。
「もう……ダメ……由梨……」
「ちょっと…ちょっと待って!!!」
由梨はあわてた。この体勢で吐かれるのはいやだ。
由梨は太一に「もうすぐ家だから」といい、無理やり歩かせた。
太一は途中意識を何度か飛ばしていたが、なんとか家にたどり着く。
家のドアを開けると、太一は家の廊下で寝始めた。
「冷たくて……気持ちいい」
太一の言葉に由梨は大きなため息をついた。
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