またお前かよ

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またお前かよ

 翌日、また同じくらいの時間に泥棒はやってきて、京介と目が合うともみ合いになった。 「またお前かよっ」 何の目的か、マスクに目出し帽をかぶった黒ずくめの男が京介に襲いかかりキッチンに追い込むと、男はまな板の上の包丁を持って京介めがけて走ってきた。 グサっ! いい音がした。 男は返り血を浴び、シャツは真っ赤に染まった。 ーー3度目の正直。とうとうやったぜ。  男は赤く染まった包丁を抜くと刃先はベチョンと曲がっていて不思議に思った。すると京介は男を真正面から睨みつけた。 「それは今夜のハロウィン用に作った小道具だ。せっかく作ったのにこのヤロー。  時間ねぇんだ、突っ立ってないで赤の絵の具、さっさと買ってこーーいッ!」 「はいィィィーーッ!」 男は慌てて文房具屋に走っていった。          《 完 》
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