不法侵入

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不法侵入

 翌日、また同じくらいの時間に泥棒はやってきて、家主の京介と目が合うともみ合いになった。 「何だ、お前ッ!」 何の目的か、マスクに目出し帽をかぶった黒ずくめの男が京介に襲いかかり、風呂場に逃げ込んだ京介はそこでまたつまずいた。  男は風呂のフタを開けると京介の頭を掴んで湯船に入れ、チャプンと音がしたことで今度こそ窒息させようと試みる。 「や、やめろ! やめ……あぷっ」  男は京介にのしかかり、もがいてももがいても体は自由にならない。男は薄ら笑い浮かべ今度は京介の腕をとり、身動き出来ないようにするとチカラ尽きるのを待った。  1分が過ぎて京介は暴れるチカラも徐々に弱くなって大人しくなり、男は〝やった〟と思い自らの手を緩めた。すると京介はクッと首をあげるとニヤリと笑みを浮かべた。 「フッ。水の中は俺が最も得意とするとこだぜ。俺は水泳の日本代表だよ」 男はまた失敗した。          《 次へ 》
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