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『とりあえず、その受付とやらに行ってみるしかなさそうだな……』
『霊界の飯はどんなかのう』
神様はとても嬉しそうだ。確かに俺も少し興味があるが、俺が死んだという事実に対して、もう少し何かないのだろうか。
(まあ、俺自身がこんな感じだしな……)
自分が死んでしまったという事実は受け止めたつもりだが、自分には守らなければならない家庭も無い。別段悲しみや後悔のような感情は湧いていなかった。
強いて言えば、ようやく全体を掘り起こせた遺跡の謎を明らかにしたかった事と、読みかけの推理小説を全部読んでしまいたかった事くらいだ。
そんな事を考えながら、俺は門の奥へと歩を進める。するとすぐ正面に、大きく立派な建物が見えてきた。
門と同様に、煌びやかさより厳しさや重々しさを感じる建物だった。入り口は正面の一つしか見当たらず、左右はずっと壁が続いている。迂回する事は出来ないようだ。
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