第1章 食いしん坊の幽霊 ①

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 そう、俺 護堂友和(ごどうともかず)はどうやら死んだらしい。これまで死んだ事なんて当然ないから、死んだ後もこんな風に周りを見回す余裕があるなんて意外だった。  今の俺の状態は、さしずめ幽霊と言ったところか。  そして、この神様は幽霊とも会話が出来るらしい。 『死んだ時の事をまったく覚えていないんだが、アンタは俺の死ぬところを見ていたのか?』 『いや、お主はいつもの様に、仕事に出かけると言って出ていったきり、生きた状態ではこの家に帰って来なかった。わしはずっと家におったからの……』  俺は生前から、この神様と同居していた。何を言っているのか良く分からないと思うが、事実なのだから仕方がない。
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