第1章 食いしん坊の幽霊 ②

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『え?』  そういえば、服装など全く気にしていなかったが、自分の体を改めて見てみると、いつものトレンチコートにシャツ、ズボンといった状態だった。 (そういえば、さっき葬式も終わったばかりで、まだ遺体を焼いてもいなかったような……)  遺体は着替えさせてくれていたと思うが、魂の方が死んだ時の姿のままだったのだろうか。 『そんな服で、途中の河はどう渡ったんだ!?』  小鬼は怪しい者を見つけたとばかりにこちらを睨み付けてくる。 『えーと……』 『わしら、せっかちな死神のファストパスで来てしまったからの』  そんな楽しげなものではないが。
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