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『む! お前も白装束ではないじゃないか! それに……お前本当に人間の魂か?』
小鬼は訝しげな顔で、神様を睨めあげる。
『まあ、とにかく受付は一人ずつだ。お前は後ろで待っておれ。そっちの者、名前だ! お前の名は?』
『護堂友和だ』
すると、大鬼が手持ちの巻物を確認し始めた。ところがなかなか見つからないようで、彼は焦りながらも一つ一つ巻物を取り上げていく。持っているものは全て確認した様子だが、
『あ、ありません……!』
それを聞いて小鬼が激昂する。
『貴様、本当の名前を名乗れ! ここで嘘をついたら一発で地獄行きだぞ! 分かっているのか!?』
『それか、アンタ並ぶ場所を間違えたんじゃねぇですか?』
『いや、間違いない筈だが……どうも俺は登録はされていないらしくてな』
『そんな訳あるか! 貴様ふざけているのか!?』
我々が騒いでいると、垂幕の奥から長身の髪の長い鬼が近づいて来た。
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