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『どうした? 何を騒いでいる?』
『蓮雫様!』
蓮雫と呼ばれた鬼は、警備系の鬼達とは異なり、文人系の小綺麗な姿をしていた。我々の方を見て片眉を上げると、こちらに向かって歩いてくる。
『お前達、その格好は……。ん、貴方は精霊……いや、まさか神……?』
『そうじゃよ』
神様はあっけらかんと答える。
『何故、神が冥府の入り口に……? 其方は人間の魂のようだが……?』
蓮雫は俺の顔を覗き込むように呟いた。
『コイツ、名前が載っていないんです!』
小鬼が大鬼の持つ巻物を指差して言った。
『何、未登録の魂……またか』
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