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第1章 食いしん坊の幽霊 ②
『そうか、まあ死んじまったもんは仕方ないな。神様、それで俺はこれからどうすればいいんだ?』
階段に腰掛け、頬杖をついている神様に尋ねる。
『その内迎えが来る筈じゃがの……お、噂をすれば』
俺は神様の視線を追って振り返った。廊下の先に煙のような黒い影が凝っている。
それはやがて、黒いフード付きの外套を着た人間の姿に象を結んだ。顔は暗くて良く見えないが、身長は2メートル近くありそうだ。
『連れて逝くのはアナタデスね……』
そいつは嗄れた声で呟いた。
『……お前さん、もしかして死神ってやつか……?』
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