第1章 食いしん坊の幽霊 ③

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第1章 食いしん坊の幽霊 ③

 先程の大広間とは打って変わって、垂幕の裏の通路は狭いものだった。蝋燭の灯りに照らされた、薄暗い廊下を歩いて行くと、突き当たりに扉が見える。 『従業員用の通路かの』  だから、なんでそういうところに詳しいんだこの神様は。 『私の執務室だ。入りたまえ』  蓮雫は扉を開けて、我々を招き入れた。中は廊下と変わらず薄暗いが、応接セットのようなソファとテーブル、奥には大きなデスクがあり、その上には沢山の書物や巻物が積まれていた。  壁紙やカーペット、家具などはいずれも高級な中華料理屋のようなデザインをしている。  派手ではないが、木製のテーブルや椅子には花や鳥が彫り込まれ、気品を感じる作りだ。 『挨拶が遅れたが、私は蓮雫。第一次裁判の管理運営を任されている管理官だ』
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