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プロローグ
私は高校の頃いじめられていた。
元はと言えば私が悪い。
ある日の放課後ーー。
「ねー、桜ー。このあと付き合って欲しいとこがあるの。」
ぴょんぴょん飛び跳ねてるこちらの少女が、板橋菫。私の友達だった人だ。
「七瀬くんの誕プレでしょ?ごめん。この後予定あるんだ。また今度でもいいかな?」
そういうと彼女は悲しそうな顔で
「わかった」
と返した。
私はこの後、その七瀬くんと会う予定だった。二人は同じ誕生日で両思い。
だけど、それをお互いに隠して、サプライズでなにかプレゼントをしたいというのだ。
「七瀬くん、お待たせ」
とあるファミレスの中で私たちは待ち合わせをし、そこで計画を立てた。
どう渡すか…どう会うか…。
その計画が一瞬で無駄な結果になってしまうことは今の私たちはまだ知らない。
私たちがファミレスを後にすると、
「桜……?七瀬くん……?どうして……」
そこには菫の姿があった。
違うと否定しようとした時にはもう遅かった。菫の目には、塩水が流れ落ちていた。
もしかしたら友達が終わるのではなく、七瀬くんと菫の間も終わってしまうような気がする。
「ごめん……」
と七瀬くんは菫に背を向け歩き出す。
そして、私もその後をついていくのであった。
これが壊れゆく三人の姿である。
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