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01.仮面
スマホのアラームで目を覚ました……ふりをする。
本当は、鳴る前から起きていたけど。
憂鬱色に沈み込んだ部屋の遮光カーテンを開けると、無神経な朝陽が土足で踏み込む。
陽に当たると、肌ではなく、胸の奥が焼かれるような感覚。
わたしは、心の中だけバンパイアなのかも知れない。
朝陽を溜息で追い返す。
今日も、わたしにとって、特別ではない記号の様な、無意味な一日が始まる。
始まりがあれば、終わりがあるはずだ。
わたしの終わりはいつ訪れてくれるのだろうか?
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