03.依存

6/6
79人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
両親は優しい。 でも、それは愛情というより、無関心からくるものだと感じた。 もしかしたら、いじめの話をしても驚かないのかも知れない。 学校を辞めることに反対もしないかも知れない。 今まで通り、わたしの居場所をこの家につくってくれるだろう。 だから、余計に、わたしは家に居づらくなる。 今夜のチャットで、夏休みにYnoriの家に泊まりたいって相談してみようかな。 少しワクワクする。学校では得られない感情。 久々に憂鬱色ではないインクで自分の朝を塗れた気がする。 いつしか、わたしはYnoriに依存していた。 ……それが破滅への疾走だと気付かずに。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!