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でも、クラスでは、ルカが髪を切った原因は、わたしの心無い一言だと決めつけている。
大半のクラスメイトは、原因なんてどうでも良いのだ。
自分がいじめの対象でなければ。
生贄は一人で十分なのだから。
わたしは、今日もグッと堪えた。
夏休みまであと1週間を切った。
Ynoriと出逢うまでは、自分が死ぬ方法ばかりを空想した教室。
でも、今は違う。
Ynoriと今夜はどんな話題で盛り上がろうかと夢想する。
自然と笑みが零れる。
「キッモ!」
わたしの笑顔に気づき、アイが嫌悪を露わにした。
傍では、ルカがいつも通り、微笑みの仮面を表情に貼り付けている。
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