79人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
帰宅後、わたしはドキドキしながらも、Ynoriに伝えることにした。
『夏休み、Ynoriの家に泊まりに行きたい』
しばらく沈黙があった。
『うん、いいよ。泊まりにきなよ』
わたしは、すっかりテンションマックスになって、いつもよりも饒舌なチャットになった。
今日学校で受けたいじめを話し、されてもいない嫌がらせまで伝えてしまった。
嘘をついたというよりは、盛っただけだ。
学校でのわたしは、かわいそうな物語の主人公。
ルカやアイ達は、最後に罰を受けるべき悪役。
Ynoriは、わたしの唯一の理解者で、心の親友。
『うちに泊めるのに、どんな子かママに伝えないといけないから画像送ってよ』
『うん。待ってて』
アプリには、通話も動画通話も機能としてあるが、使ったことはなかった。
いつも、文字とスタンプのチャットだけだ。
最初のコメントを投稿しよう!