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「分かりました。お会いしましょう。けど、条件があります。お仲人さんなんて、もちろん、いりません。
あと、子供じゃないんですから、お父さんとお母さんは同席するのは、やめてください。」
いい歳をした大人が、両親を引き連れて、お相手と会う、その状況が瑛の我慢ならないシーンでもある。
「その条件を呑んだら、必ずお会いするんですね?」
「会うだけなら。僕にも、先方にも、お会いした後、お断りする権利は当然ですが、ありますからね。」
「あなたのそういうところ、会社だったら、とても頼もしいんでしょうね。身内だと、とっても腹立たしい時があります。」
母は、一瞬、苛立たしそうな表情を浮かべたが、瑛が呑んだことで、自分を納得させたようだ。
断られるより、何倍もマシだよな?
瑛は、その顔にとても、魅力的な笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます。褒め言葉と受け取っておきます。」
そうして、瑛は母を見送った。
その瞬間、何とか回避する方法はないものか、と考え始める。
──そもそも、自分が、自分だけがこんなこと、引き受ける必要あるか?
いや、ない。
大体、瑛には弟がいるのだ。
双子なのである。
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