エピローグのその前に

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「高層マンションって、見晴らし良いですねー!」 タワーマンションの1室である、瑛の部屋に入ると、早速、窓に張り付く絢音には、もう笑うしかない。 「絢音―?何がいい?」 瑛はそんな絢音を見ながら、キッチンに入った。 今どきのバリスタマシンは、いろんな味の飲み物を選ぶことが出来る。 「キャラメルとか、モカとかバニラもブレンド出来るぞ。」 「美味しそう。モカが飲みたいかも。」 絢音は、てててっ、と窓から離れて、今度はキッチンにいる瑛に駆け寄る。 「ミルクは?」 「入れてもいいんですか?」 「もちろん。」 「なんだか、男性がキッチンにいるの、新鮮です。」 「そう?俺は一人暮らしだからな。何でも自分でするから。」 そう言いながら、絢音をソファへと促した。 瑛もトレイにマグを乗せて、リビングに向かう。 「素敵ですね。瑛さんの手ずからの飲み物、楽しみです。」 「今どきの家電は、優秀なんだ。」 ソファに座ると、絢音の分の飲み物を、はい、と渡す。 「ありがとうございます。」 と両手で受け取る絢音は、ふー、とそっと息をマグに吹き掛けているのが、可愛い。 こくっと飲んで、 「美味しいです。」 にこっと、瑛に微笑みかけてきた。 「そう?良かった。」 瑛は、自分もマグを持って、ソファの絢音の横に座る。
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