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「だって…瑛さん、慣れているもの。…っ、この前だって、電話で、さらっとデートだとか言うし、
…初めて会った時だって、手をすごく自然に握るしっ…あと、電話でっ、会えるなら会いたい、とか、ドキドキするじゃないですか!
……仕方ないって分かってますっ。
だって、瑛さんは素敵な人だもの。」
「絢音、どういうこと?」
絢音は泣きそうになりながらも、瑛を見て、一生懸命、口を開く。
「多分、嫉妬してるんです。その大事にされた彼女さん達に…」
絢音は分かっていない。
その誰よりも、君が愛おしいから、一緒になる決心をしたのに。
しかも、嫉妬?
そんなの、する必要ない。
どれだけ好きか、教えてやりたい。
可愛いほっぺたをきゅっと摘んでやる。
「瑛ひゃん…」
あーもー、なんだ、このむちゃくちゃ可愛い生き物!
しかも、ド天然!
けど、素直で、バカではない。
「いちばん大好きだ。もう、誰も好きになんて、なれないよ。いいか?絢音、過去は過去。俺が言うのも変だけど。
もう、終わったことだ。俺はこれから、を絢音と一緒に過ごす、と決めたんだよ。たった、一人の人、なんだ。
だから、そんなこと、言わないでくれ…。」
思わず、瑛はきゅっと、絢音を抱きしめる。
「瑛さん…」
絢音の手が、背中に回るのを感じた。
そうすると、なおさら、身体は密着して…。
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