教室の窓から見る景色

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「辞めた事、後悔はしてないよ」  直冬が再び顔を上げてきっぱり言い切ると、タケルは神妙な顔で黙り込んだ。しばらくして唐突にべしん! と背中を叩いてくる。ごほっ、と思わず直冬は咳き込んだ。 「――さっ帰ろ! コンビニで肉まん奢ってやるよ」  タケルが目を糸のように細くして、にかっと笑う。 「今日めちゃめちゃいい天気なのに、肉まんかよ」 「おでんでもいーぞ。但し3つまでな」 「そっちの方が熱いじゃねーか」  理由は言わないし、聞かれない。軽口を叩き合うこの距離感が、ほっとする。  幼なじみのタケルといえども、踏み込んで来られるのは嫌だった。
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