設備屋物語 俺とアイツ

この広い世界で、今は俺とお前だけ。

　次の日から俺は嫌々ながら減量を強いられた。

　ボクサーでもないのに。

　昼の弁当のおかずを全部食べないようにする、特に魚や肉などはよく残すようになった、だけど野菜関係は必ず残さず食べる、特に玉ねぎ。

　弁当を食べた後にも仕事が２つ増えた。

　一つ目は弁当ガラを出すときに、俺の弁当ガラは一番上に乗せる、そして蓋を少しだけずらしておく。

　食後のコーヒーを飲んでいる時に、アイツは姿を現す。

　俺のお陰もあって弁当ガラの周りをくるくる廻ることも無い、そして嬉しそうな顔をしながら弁当ガラに手を突っ込んでいく。

　二つ目の仕事はアイツが手を突っ込んだ俺の弁当ガラの片付けだ。

　この仕事が増えてから俺は目に見えてやせ細っていった、だが、俺のやせ細る姿と反比例するかのように、ガリガリにやせ細っていたアイツは、少しずつ、順調に太っていった。