光革命

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「どうして貴方は片付けられないの!!」     お母さんが僕の部屋を見て、鬼のように怒っている。もし鬼というものがこの世にいるとしたらソレは、うちのお母さんのようなものに違いない。いつかお母さんが寝てる時にでも、髪の毛をそっとかき分けて(つの)が生えていないかどうか確かめてみようと思う。  でも……、お母さんが鬼に変身してしまうのはしかたがない。それは僕のせいだから。僕が片付けられない人だから。  正直いって僕は散らかっていることがぜんぜん気にならない。部屋がぐしゃぐしゃでも何がどこにあるかだいだい分かっているし、一二分あれば何でもさがし出せる自信がある。  そんなに片付けって大事かな。  鬼、いやお母さんがいうには、例えばハサミが必要になった時。そういう時は探すんじゃなくて、迷わずにハサミがある場所に手が伸びないといけないんだって。   「あのね、物には一つずつ住所があって、いつも同じ場所になきゃダメなの。貴方のハサミが机の引出しの奥の方だったり、脱ぎすてたシャツの下に隠れていたりするのは、ハサミが迷子になっているからなのよ」 「貴方が持っている全てのものに住所を決めてあげなさい。片付けはね、使ったものをそれぞれのお家に戻してあげる、たったそれだけの事なの」って。  僕は思う。  物に住所を決めれば、探すのに使う一二分はなくなると思う。でも本当はよごれた部屋をイヤだなとか、気持ちがわるいなとか、僕が自然とそう思えなきゃ意味がないのじゃないかなって。  僕の脳みそには大きなが必要だと思う。
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