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注文の品がなかなか届かない。飲み終えてしまえば立ち去る理由もできるのに。
「さて、約束だもの、アドバイスしますよ?どんな事が聞きたいのかしら」
彼女が言った。
「ああ、お見合いの…… そんなにお見合いしたことあるんですか? 」
良い返事をたくさんもらってきて断った経験がいっぱいあると言う事なのだろうか。
「いいえ、一度も」
言葉が続かなかった。
「でも大丈夫、ちゃんと結婚できたもの、どういうお話をすればいいのかくらいわかると思うわ」
なんだこの人は……。全く当てになる気がしない。
「じゃ、じゃぁ…… 最初はどんな事を話せばいいのでしょうか」
「そうね」
彼女はにこりと笑った。
「取り繕ったりしないでありのままを出すのがいいと思うわ」
何を話せばいいのか聞いたのに態度について?
「きっとね?何を言っていいかわからなくてとても混乱して、あなたがとりたくない態度に出てしまう事もあると思うの。でもきっとそれがあなたなのだから、それを隠す必要はないわ」
十代の少女じゃないのだからお見合いになったからと言ってそれほど追い詰めらるほど初ではない。彼女くらい年上から見たらアラサ―も乙女に見えるのだろうか。
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