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「大丈夫。会いますよ。必ず」
まるで心中を読みとったかのような言葉だ。
そのせいで出かかった言葉が再び呑み込まれてしまう。
「ヒントだってたくさん用意されますからね」
彼女はそう笑ったが意味が全く分からなかった。
と、優しげな香りを運びながら、やおらウェイトレスが注文したものを運んできた。
私たちは目の前に置かれる飲み物に目を落とし、そしてほぼ同時に再び視線があった。
なんだろう、この確信した様な、安心したような眼差しは。
「さぁ、台無しにならないうちに頂きましょう。連れて来て下さってとても助かりましたわ。ありがとうお嬢さん」
「いえ、……」
それしか言えない…。
眼前のハーブティーから立ち上るあたたかい香りも相まって私は昂っていた事を少し恥じた。
そうだ、彼女は何も悪い事は言っていない。ただ私にお礼をしようとアドバイスをくれただけで、そこには浮世離れしていようと確かな誠意はあったのだ。
折角のお茶なのだ、彼女の感謝の気持ちなのだ。ちゃんと味わって頂こう。
ほっとする味。
ハーブに詳しくない私にはなんのお茶なのかはさっぱりだが、角の取れた酸味とそれをまるまる包み込む芳醇な甘み、すっと鼻に抜ける香りは清涼感がありながらそれでいてどういう訳かぬくもりを感じさせる。喉を通れば体が内側から温められてゆくのを感じた。
口にした事のない味に一度カップをみた後、再び体面に座る相手に視線をやると彼女は通りの遠くを眺めていた。
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