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純粋に恋してる
優しい男×淫魔
毎日毎日夢見ていた。好きになった人と結ばれて、一生を過ごせることを。
愛を与えられて温かくて胸がじんわりと幸福感に包まれる。
昔ご飯を食べに行ったところで見たテレビでそう言っていた。
愛を与えられるというのはどういう事なのだろう。なんで服を着てないのに暖かいのだろう。
気になって気になって、1つの夢になった。
実際夢というのか分からないけれど人間に教えてもらった。気になることは夢にしておけばいつでも思い出せるんだよ、って。
人間の言っている意味が全く持ってわからなかったけれどそれだけで物凄く嬉しく感じた。
それから俺は恋について勉強した。ご飯を食べに行った人間のスマートフォンを使って調べたり本を使って調べたりもした、漢字が読めなくて人間に手伝ってもらうことも沢山あった。
だからだろうか、恋というものを勉強してからというものはご飯にこだわりを持つようになってしまった。昔はお腹がいっぱいになれば良かったのに今では相手が気に入らなかったらご飯が要らないくらいになっていた。
確かにお腹が減るし食べれなかったら苦しいだけだけど…夢を教えてくれた人間や恋について勉強させてくれた人間のようなやつじゃないと嫌だった。俺の目付きに文句を言わずに相手をしてくれるヤツらのご飯は他のやつよりも美味しく感じた、優しくて、自然と頬が緩むような男じゃないと…なんて選り好みをしていたらご飯を三日も食べられなかった。
諦めてそこら辺でご飯を食べようか…、でも嫌だ、人間の優しいヤツらで満ちていた身体が空っぽになっていくような気がする。
ふらふらとご飯を探し求めているとマンションという沢山ご飯が詰められた家の間の壁に寝転ぶ。冷たくて気持ちが悪い。俺は、暖かいのがいい。暖かくて、幸福感ってゆうものを味わいたい。
そんなことを思いながらもお腹がぺこぺこで探し求めていたせいで睡眠も不十分だったせいで寝転んだらすぐに眠ってしまった。
すぐその後に美味しそうなご飯が来たとは知らないで。
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