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淫魔拾いました
ブラック企業の男×淫魔
疲れた。
今日はサービス…いや、今日はじゃなくて今日も。か、サービス残業頑張って帰って早くお酒が飲みたい。今日はビールよりも焼酎かな…なんて考えながら階段を上がる。ボロボロのアパートではカンカンと階段を上ると鳴る。靴が硬いから余計だ。うるさい音を響かせてから自分の部屋の前に行くと変なものが座っていた。
人だ、いや、人…?驚きすぎてまじまじと見てしまったせいでよく見た目がわかった。
女子が着るビキニの上を小さくした物を着ていて下は見えない。裸ということはないだろうが絶対領域なんて存在しないもののようだ。布の面積が極端に少ないみたいで裸に見えただけだ。
そして一番驚くところはここだ。普通の人間には生えていない黒い角と黒いゆらゆらとしたしっぽ、そして黒い翼が生えていた。コウモリのように見えるがツルツルとしていてビニール素材なのか、コウモリのようにはふわふわではなかった。
とりあえず人に見えるので起こしてみる。ぐっすりと眠っているようですやすやと寝息を立てている。よく見ると顔はよく夜中のコンビニとかに居るヤンキー達と顔がそっくりだった。
(めっちゃ顔怖いな…)
そんな顔とはアンバランスな服装と行動に少し笑ってしまう。
ふふっと息を吐くと男が目をパチリと開けた。
「…んあ?」
「あ、起きた」
がばりと男が顔を上げるといきなりキスをしてきた。
「んぅ…?!」
何回もキスを繰り返すと息がきれはじめる。男の方も息が足りなくなったのか顔を離してくる、急いで突き放すと男がガシャンとドアに当たった。
「って…何すんだよ!」
「何するも何もこっちのセリフだよ!」
はぁ?と男が声を上げる。いやいや、こっちのセリフだから…!
「なんでだ…?合意…ん?誰だお前!!」
指をビシッと指されて言われる。こっちのセリフが今日で三回も出てしまう。この短期間でだ。
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