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「そうか。そういえばあの話がまだだったね。そりゃぁ花々里としても納得がいかないか。――失礼した」
笑いながらひとり納得したようにそう告げてから、いきなり私の肩をグッと掴んでくるの。
「ひっ!」
突然の蛮行に思わず悲鳴を上げた私に、御神本さんってば偉そうに、
「花々里。大学を辞めたくないなら、俺の手の中に落ちてこい。助けてやる」
とか。
ますます意味が分からないんですけどぉー!?
あまりのことに肩を掴まれたまま、キョトンとして何の反応もしない私に、半ば焦れたように目の前の男が溜め息をつく。
いや溜め息をつきたいのは私だよね!?
「本当キミは鈍感な女だな」
って。
さすがにいくら目上の方とはいえ、不躾過ぎやしませんか!?
「俺の妻になること前提でうちに来いと言っているんだがね? 普通いまのでピンとこないか?」
え!?
それでピンと来る人がいたら、きっとエスパーか何かだと思います!
それに――。
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