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私まだ成人もしていませんし、何より学生の身。それだけならまだしも。
「出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!」
肩に掛けられたままの手を払いのけようとしたら、ギュッと掴まれて払わせてもらえなかった。
「痛いです!」
そんな力入れたらアザになっちゃうでしょ!? もう、ホント……何なのよ!
思いながら「手……!」と言ったら「なぁ花々里。大学はどうするつもりだい? せっかく入ったのに辞めるつもりか? いや、それ以前に住む家はどうする気かね?」って。
いや、もう! いっそ清々しいくらい的確に痛いところ突いてきますね!?
「なっ、何とかしますっ!」
その宛てもないくせに売り言葉に買い言葉みたく勢いよく啖呵を切ったら、「悪いがお母さんに頼まれてお引き受けした以上、俺のほうにはキミに断られるという選択肢はないんだよ。今日キミを迎えにくるために散々あちこちに根回しもしたしね。その労力は無駄には出来ん。――よって、花々里の意見はオール却下だ」とか。
嘘でしょぉぉぉぉぉ!?
どんだけ自分勝手なの! この人!
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