2661人が本棚に入れています
本棚に追加
/703ページ
「それに……先日手付金……、おっと失敬。結納金だったか。まぁとにかくそれ代わりにキミの今年度の後期の学費を大学に納入させてもらっているからね。キミに拒否権はないのだよ。――お母さんからその旨連絡はなかったかい?」
「……っ!」
ありました!
ええ、ありましたとも!
誰から、とかは言われませんでしたけれども……まさか貴方さまだったとは!
全納だなんておかしいと思ったんですよ!
けど今、御神本さん、絶対「手付金」とか不適切発言なさいましたよね!?
い、一体何に手をつけるためのお金なんですかっ!?
思ったけれど藪蛇になりそうだし、聞くのはやめておくことにします。
私だって一応女子大生ですからね。そこまでお馬鹿じゃないのです。
でも……それはそれとして――。
結局これ、どうすればいいの?
お金返します! だから見逃して?っておねだりしてみるのが最善策?
「し、支払っていただいたお金は少しずつでも……」
お返ししますので!……と、眼前の男の顔を見上げてキリリ!と格好良く言い放とうとしたら――。
――グゥゥゥゥゥー!!!
とかっ!
なまじ距離が近いから今の轟音、絶対御神本さんにも聞かれましたよね!?
最初のコメントを投稿しよう!