2.だから話を聞いて!?

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 ひぃー。お願い! 今は黙ってて!! 私の! あとで草でもなんでも放り込んであげるから!  ぶわりと耳を熱くして、慌ててお腹を押さえてうつむいた私の頭上へ、クスクスと笑い声が降ってきた。  顔を上げなくても分かります。  御神本(みきもと)さん、笑ってらっしゃいます……よね? 「とりあえず話の続きは食事でもしながらどうかな? 実は、俺も夕飯まだなんだ」  言われて私、思わず条件反射で顔を上げて、目をキラキラさせてしまった。  ううう。  腹ペコが憎い。 「そ、そ、そ……。その手には乗り……」  ――ません!  それでも生唾をグッと飲み込んで、何とかキッパリ断ろうとしたら、 「何がいい? 寿司か? ステーキか? それともフレンチ? イタリアン? なんでも花々里(かがり)が望むものを食わせてやろう」  って本当ですか!? 「――ます!」  結局、飢えたお腹の虫に意識を乗っ取られた私は、〝乗り〟と言えずに、〝乗り〟と路線変更してしまった。  あ、あくまでも言わせたのは「お腹の虫」です。私じゃありません。  でも私、「お腹の虫」の気持ちも少しは分かるのよ?  だってだって!  お寿司よ!? お肉よ!? フレンチにイタリアンよ!? 断れるわけないじゃない?  思わず口の端にヨダレが滲んできて、慌てて唇にグッと力を込めた。
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